会社設立の趣旨



 ウナギ、アナゴ、ハモなどの無足類に属する魚類は古くから日本人の食生活にきわめて密接な関わりを持ってきましたが、近年、沿岸・近海の漁場の荒廃や過激な漁獲によってその資源がおびやかされるに至っています。
 
 とりわけウナギは養殖魚としての歴史がふるく、生産量も年間百万トンに達し、養殖、加工、料理は一つの産業を形成しています。しかし、その出発原料たるシラスウナギは天然産の採集に待たねばならず、その豊凶が大きな影響を与えてきました。このためシラスウナギの人工生産は業界積年の夢であり課題でありましたが、ウナギの産卵場すら未知の闇に閉ざされていたため、その研究は遅々として進みませんでした。
 
 しかるに最近にいたり諸研究機関の永年の努力が技術として集積され始め、他方海洋調査によるニホンウナギの生活史の解明も進んで、ようやくシラスウナギ人工生産の可能性が展望されるに至りました。
 
 無足類はレプトセファルス(ヤナギ葉幼生)と呼ばれる独特の変態を行い、この間の餌料の特定に困難があるなど、技術の前途に予断は許されませんが、このような最近の技術の展開を踏まえ、無足類の種苗生産技術開発のための研究機関の設立の気運が高まり、生物系特定産業技術研究推進機構のご出資と研究者各位のご協力を得て、当社の設立に至りました。

 

平成8年3月25
取締役所長 元信 尭

 

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